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2026年秋冬を象徴するレザーは、柔らかくなった

DressWise 編集部

長年、ファッションにおけるレザーには、ハードなイメージがつきまとっていた。黒のライダースジャケットやロックスターの装いに代表される、気軽さよりも尖った雰囲気を表す素材だったから

長年、ファッションにおけるレザーには、ハードなイメージがつきまとっていた。黒のライダースジャケットやロックスターの装いに代表される、気軽さよりも尖った雰囲気を表す素材だったからだ。2026年秋冬、その印象が変わった。レザーは今季を象徴する素材のひとつとなり、トレンチコート、パンツ、スカート、シャツ、ワンピースまで幅広く登場している。ただし、従来のバイカースタイルよりも柔らかく、ゆったりとしていて、日常に取り入れやすい。レザーは姿を消したのではなく、普段着になじむ素材へと変わった。

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その変化を示すのがランウェイだ。ミラノ・ファッションウィークでも、レザーは主要トレンドのひとつに挙げられた。Tod’sのMatteo Tamburiniは、軽くシルクのような手触りのカーフレザー「Pashmy」を軸に「Italian Signature」コレクションを構成。アウター、スカート、パンツに取り入れ、ハードさよりも美しい落ち感と色の深みを引き出した。BurberryのDaniel Leeは、ヘザーグレーやチョコレート色のしなやかで柔らかなレザーをスカートやパンツに採用。FerragamoのMaximilian Davisは、バーガンディのレザートレンチからローライズのペンシルスカートへと、その使い方を広げた。共通するのは、黒とスタッズのイメージからの脱却だ。ドイツ版ELLEは、その変化を「ロックではなく、エレガントに」と表現している。

この変化が最もよく表れているのが、レザーパンツだ。存在感の強いアイテムから、ワードローブの定番へと変わった。2026年秋のモデルは、ストレート、ワイド、1970年代風のフレア、ゆとりのあるバレルシルエットなど、なじみのある形で登場する。普段から着ている形をレザーに置き換えるので、体形を変える必要も、特別な勇気を振り絞る必要もない。ウールのパンツと同じ感覚で、ハイゲージニットや張りのあるシャツ、ざっくりしたセーターを合わせれば、夜遊びのための服ではなく、日常の装いになる。

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同じ発想は、ほかのレザーアイテムにも広がっている。レザースカートは、ミニ丈、ミディ丈のプリーツ、フロントスリット入りのペンシルスカートといった形で再登場している。華やかな夜のお出かけ用トップスではなく、オーバーサイズのニットや膝まであるロングブーツと合わせる。今季のアウターで特に目を引くレザートレンチは、バーガンディ、チョコレート、キャメルで展開され、かつてのウールコートのように、長く着るために投資するアイテムとしてレザーを位置づけ直している。こうした変化の土台にあるのは、素材そのものの変化だ。軽いカーフレザー、しっとり柔らかな仕上げ、落ち着いた暖色が、かつて主流だった硬く光沢のある黒に代わった。

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この変化は、地域を問わず読者にとっても重要だ。今や服選びの判断を左右する「着用単価」、つまり購入価格を着用回数で割ったコストの計算が変わるからだ。柔らかなレザーパンツやトレンチは、週に一度の夜のお出かけだけに着るものではなくなった。北欧や北米の冷え込む冬にはコートの下に重ねて着られ、比較的穏やかな南欧の秋にはそれだけで着られる。本革とフェイクレザーの選択も、以前より現実的に考えられる。しなやかな本革のアイテムも毎週着るなら出費に納得しやすいし、質のよいフェイクレザーなら、ずっと手頃な価格で同じような見た目を楽しめる。ただし、注意したい点もある。レザーはニットほど伸びない。従来のバイカースタイルでは不足していた、幅広い体形に対応するサイズ展開や、体の曲線を考慮したカッティングがあるかどうかを、今こそ確認したい。

実践のポイントはシンプルだ。レザーを特別な衣装だと思わず、ほかの生地と同じように扱えばいい。ウールやコットンで普段着ている形なら、レザーでも着られる。ストレートパンツにセーター、ミディ丈のプリーツスカートにオーバーサイズのニット、トレンチの下に白いTシャツ、といった具合だ。レザーが質感を添え、組み合わせで気負わない雰囲気をつくる。この工夫が、年に2回しか着ないアイテムを、ほかの服の着用単価までさりげなく下げる存在に変える。

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2026年秋のレザー人気は、単なる復活と捉えられがちだ。しかし実際は、位置づけが変わったと言うほうが近い。反骨精神を表す記号だったレザーが、日々のワードローブに質感を添える素材になった。より柔らかく、温かみがあり、手持ちのほかの服と同じように気負わず着られるものになったのだ。

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